2011年 07月 28日

ジェームズ・ブリッシュ「悪魔の星」読了

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7月25日の続き

 ああ、教養がないのが、とても残念。カトリックについても漠然としか
知らないし・・・。かなしい。
 調査に訪れた惑星リチアで「フィネガンズ・ウェイク」を読んでいる
イエズス会神父なんて、かっこいい主人公が設定されているのに、
ジョイスも読んでないし・・・。

 見た目は大きな蛇とカンガルーが合体したようなリチア人は、全員、
「スタートレック」(ブリッシュは「スタートレック」をノヴェライズ
しているけれど)のMr.スポックかと言いたくなるほど、理性的な知的
生命体。
 信仰なくして自主的・自律的で完全に融和した社会生活が営まれている、
理想郷・リチアを見て、生物学者でもある神父は不安になる。

< 彼らは暗い陰の思考をもったことがないのだろうか? 意味のない行動、
 盲目の知恵、生きることの空(むな)しさをうかがい知って、恐怖をおぼえ、
 急に疑惑にかられるような一瞬の無気力に襲われることのない、そんな
 理性的な生物がこの世に存在しうるとは、考えられるだろうか? 「この
 ゆるぎなき絶望という確固たる土台の上にのみ、魂の住かは無事に建つ
 のだ」と、かつてある有名な無神論者が書いている。>(p53)

 無原罪の知的生命体は、もしや悪魔の創造によるものではないかと考える
神父は、思考の果てに、悪魔にも創造力があると認めるマニ教的見解を抱く
ようになる。(ええと、これでよかったのかな? よく知らないもので・・・)。

 調査隊が地球に戻ってからの各人の行動など、もう少し細かく書かれていると
ストーリーに入りやすいんじゃないかしら。多少、肉付け不足に感じられ、後半が
急ぎ足に思える。
 リチア人の通信方法(地下の水晶に反響させる)や、地球の地下核シェルター
都市でのパーティ場面とか、すてきなのに、人間関係の描写はなんだか簡単
過ぎるような・・・。
 思弁的な事柄やイメージが膨らむ状景描写はきっちり押さえられているが、
人事にあんまり興味がないのかしら。

     (ジェームズ・ブリッシュ「悪魔の星」 創元推理文庫SF 67再 J)





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by byogakudo | 2011-07-28 12:19 | 読書ノート | Comments(0)


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