猫額洞の日々

byogakudo.exblog.jp
ブログトップ
2011年 08月 04日

ヴェラ・キャスパリ「ローラ殺人事件」読了/森達也「放送禁止歌」も読み始める

e0030187_17551241.jpg









click to enlarge


 1940年頃のニューヨークの宣伝業界で、女だてらにキャリアを積み、
市内にアパートメント、市外に別荘も持つまでになったローラ。
 酒も煙草もやり、友人知人に取りまかれ、男友だちとも気軽につき合う。
華やかな存在だから、痴情のもつれの殺人事件かと思って読んでいたら、
なんてことでしょう、彼女は結婚までは処女でいる、清教徒的価値観の
女性だった。

 それなのに男から恨まれるのは割が合わないと、今だから思うので、
男心が弄ばれたことには変わりないのだろう。筋違いとしか思わないが。

 男に対面しているとき、女が無意識に示す媚態等について、よく理解
されているし、ローラが綴るパートでは、自分の恋愛分析もきちんと
成されている。

 ハンサムで育ちのいい男性と婚約した理由を、彼女は反省する。

<女の人達が、生活の満足を得るために、男を利用するように、私は
 彼を利用したのである。虚栄心を満足させるために恋愛遊戯をし、
 ちようど、成り上り者の売春婦が、旦那を持つていることを世間に
 見せびらかすために、銀狐をまとつているみたいに、得意になつて、
 彼を連れて歩いていたのだ。三十になるまで独身で通していたので、
 私はあせり気味だつたのである。>(p172下段)

 ピューリタンで、自己処罰意識に走り過ぎてる。プロテスタンって、
こういう傾向なのだろうか。

     (ヴェラ・キャスパリ「ローラ殺人事件」 HPB 55初)





..... Ads by Excite ........
[PR]

by byogakudo | 2011-08-04 17:55 | 読書ノート | Comments(0)


<< 森達也「放送禁止歌」を中断して...      編み物オーケストラ 「じしんのこと」 >>