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鈴木創士氏がツィッターに書かれた短文は「ファラベウフ」
ヴァリアントなので、消えないうちに引用させていただく。
<何年も忘れられたままそこにかかっていた廊下の奥の鏡、そこをお前が
通り過ぎるたびに、乏しい光のもとに剥げかかった水銀を透かすようにして、
鏡の表面が消してしまうお前のからだにくわえられた拷問のような消滅の
痕跡、再びその痕跡を赤い砂漠の月明かりのように反射するあの雨の日の
夕方の薄明かり>8月19日
<夕方の薄明かりのなか水星が獅子座を逆行する。音もなく雨が降って
いた。剥げた鏡の表面を盗み見る。鏡のなかで何かが少しだけ動く気配がして、
歯形のようなものが俺の首筋をかすめる吸血鬼の犬歯のように鏡の表面に小さな
傷をつけ、窓の手前で立ち止まったお前の手が震え始める。糸のように、ように。>
8月19日
「ファラベウフ」、名作です。
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