2011年 10月 16日

岸田國士「幸福の森」/永井永光「父 荷風」読了

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 第二次大戦が始まる前の、或るプチブルジョア家庭とプロレタリア
階級との接触を描く「幸福の森」。プロレタリア出身の若い後妻が、
自分を「ボヴァリー夫人」と比べる場面があるけれど、ボヴァリー夫人
にはならなくて、「昼顔」夫人的展開だ。不貞は犯さないので、肝っ玉
奥さんになる、というべきか。

 リベラルなインテリ男の限界がよく見える。彼らが何人いようと、
あの戦争は食い止められなかっただろう。
     (八雲書店 48初)

 荷風の養子・永井永光による荷風像が「父 荷風」。いろいろトラブルを
抱えても、文豪・荷風の遺品・遺跡を守り続ける姿勢が驚異的だ。
 私人・永井壯吉と文人・永井荷風とを区別しているからできたのかも
しれないが、それでも、いやになって投げ出したくなるときもあっただろう。
     (白水社 2005年3刷 J)





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by byogakudo | 2011-10-16 13:45 | 読書ノート | Comments(0)


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