猫額洞の日々

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2011年 11月 12日

横溝正史「毒の矢」読了/中井英夫をあきらめ長谷川尭「生きものの建築学」へ

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 今週の新着欄です、よろしく。
 新着欄 


 ふたりとも夜、寝床で本を読む習慣なので、ベッドサイドの小卓に、
いつの間にか本が溜まる。ときどき入れ替える。
 中井英夫「薔薇への供物」(河出文庫 1990初 J)、Sは一篇で止め、
わたしは六篇、半分近く読んだ。いちおう義理は果たしたような気が
するから、もういいか。

 横溝正史「毒の矢」(角川文庫 1976初 J)に収録された短篇
「黒い翼」は、「不幸の手紙」を扱っている。
 今では携帯電話やコンピュータ上でのチェーンメールだろうが、
昭和三十年代では葉書である。「不幸の手紙」を受取ったら、
すぐ何人かに同じ文面の葉書を出さないと、あなたに不幸が
訪れます、って奴だ。子どものとき、来たことを思い出した。
 わたしは、ほっておいたのかしら? 日本中で流行ったのだろう。

 小説の中でも、
< 識者の多くは黒い翼[注:「不幸の手紙」]がまいこんでも、
 そのまま放っておけばよいというのだが、それがそう簡単に
 まいらぬところにこの問題のむつかしさがある。人間の持つ
 不安の心理や恐怖心がなくならないかぎり、黒い翼のながす
 害毒は、ますます蔓延(まんえん)していくのではなかろうか。
  いっそのこと、戦争中のように差出人の住所氏名のない郵便物は、
 配達を中止したらどうかと論じて、反動ときめつけられた批評家も
 ある。>(p200)

 戦争中って、そうだったのか。知らなかった。

 買ったまま忘れていた、文庫版・長谷川尭「生きものの建築学」を
見つけて読み始める。気持ちいい文章だ。





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by byogakudo | 2011-11-12 13:03 | 読書ノート | Comments(0)


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