2011年 12月 27日

サラ・コードウェル「黄泉(よみ)の国へまっしぐら」もう少し

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 写真は大銀杏の家。銀杏は葉が全部落ち、箒になって
そびえ立ち、黄色い葉っぱが屋根に降り積もっている。

 チェスタトン編の短篇ミステリ集も一緒に読み出したので、
サラ・コードウェルがなかなか終わらない。

 歴史学者・テイマー教授と仲の良い、若い弁護士たちとの
会話がペダンティックでおかしい。

 休暇前に仕事を片づけようと焦る女性弁護士が、臨時雇いの
タイピストのミスに悩まされる。
 口述筆記ではなく、原稿をコピーするだけのことなのに、
アール五世が、アール四世のSUN(SON)でAIR(HEIR)であると
いうタイプミスが出てくる。これに対してテイマー教授は、

< それは本文批評(種々の本文を考証して、正しい原典を見出そう
 とする研究)の学生には、口述内在として知られている現象の一例
 なのだと私は説明した。コピーしている人間は、原文の言葉を頭の
 中で繰り返しながら、目にしたとおりにというより、耳で聞いている
 つもりでコピーしていくものであり、それが多くの誤りを生みだす原因
 なのである。>(p111)

 また、肝心な一節が抜かされてしまったのは、
<[略]とばした節の最初の六語ほどが、そのあとに続く節と同じ
 言葉で始まっている[略]>ので、
<初めてそれをコピーするタイピストは、草稿に目を戻す時、つい
 あとに続くほうを見てしまったのだろう。数行あとに再びでてくる 
 同じ語句が彼女の目を捉えたに違いない。そしてあいだにある
 部分は抜かして、その箇所から続けてしまったものと思われる。
  「これはね」と私は言った。「重字脱落として知られる誤りの一例
 だよ__古代や中世のものの写本のさいに、多くの誤りを生みだす
 原因なんだ。[略]」>(p114)

 この発言のせいで、当然、女性弁護士は更にヒステリックになり、
タイピストも怒って出て行ってしまう。





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by byogakudo | 2011-12-27 13:27 | 読書ノート | Comments(0)


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