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猫額洞の日々

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2011年 12月 29日

サラ・コードウェル「黄泉(よみ)の国へまっしぐら」読了

サラ・コードウェル「黄泉(よみ)の国へまっしぐら」読了_e0030187_13131584.jpg









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 今年も古本屋であり続けられました。皆さまのおかげです。
どうもありがとうございます。
 来年もよろしくお願い申上げます。

 なお冬休みは、明日・12月30日(金)から1月3日(火)までです。


 分量的にそろそろ謎解き解決が始まりそうなころになっても、
読者を焦らすかのように、或いは謎解きはさらっとやるのが美的
ではないかという作者の姿勢であるのか、テイマー教授による、
ギリシャはコルフ島での美術家チーム対作家チームのクリケット
観戦記がかなり詳しく綴られる。

 読んでいて、大昔、女学校のころ一度だけやった、ソフトボール・
ゲームを思い出した。

 なにしろ運動神経に問題のある人が多い。ひとクラスを半分に分け、
普通程度の運動神経の持ち主をピッチャーとキャッチャーに配分したら、
残りは悲惨なものである。

 一回表、打者は一球もバットが振れずアウトになるか、少しでもボールに
当り、ピッチャーとキャッチャーの守備範囲をちょっとでも外れたら、もう誰も
捕れない。のろのろした走りでもセーフになる。なかなか攻撃が終わらない。
 裏も同じ展開。やってる方もうんざりだが、もし見ている人がいたら、あきれて
物も言えなかっただろう。

 (それから數年、山口冨士夫さんたちとゲームコーナーみたようなところで、
女ふたりがクレー射撃をやってみると、二人とも見事に当たらない。軌道を
大きく外れた空間に発砲する。
 「君らには運動神経ってものがないのか!」と、山口氏はあきれ果てたが、
ないんだもの。しかたない。)

 ソフトボールはそれでも六回までやったのか。バスケットボールの点数と
しか思えない乱打戦が終わった。

 コルフ島のクリケットもそんなゲーム展開で、その後やっと事件が解決する。
大変イギリス的なミステリ。

     (HPB 1986初 帯)


 今年はあまり本が読めなかった。逃げようのない、わたしという個体の死後も
続く悲惨な現実に取り巻かれていると、「ズラカル」を基本姿勢とする奴でも、
本に没入できない時間が多かった。

 原子力発電所だらけのフランスで、知識人たちはどんなロジックでそれを
肯定しているのだろう? 知識人は反対者ばかりだが、少数派なのだろうか。
 地震国で原発を止めようと望むのが、まともな神経だが、権力は、いつか
我が身に降りかかる災いをものともせず、原子力偏愛を病的に貫こうとして
いる。巻き添えは御免である。





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by byogakudo | 2011-12-29 13:13 | 読書ノート | Comments(0)


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