2012年 01月 21日

鈴木創士「サブ・ローザ」読了__すばらしい!

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 鈴木創士氏には縦書きハードカヴァがよく似合う。

 webで読んでる第一部がメインなんだろうと油断しているあなた、
本の形で再読してごらんなさい。書き手の思考の速度に引きずられて、
読み手もスピードアップする気持良さは、開きのいい単行本の形である
からこそ得られる。横組のwebでも内容理解はできるが、身体的読書の
快楽は、単行本ならではのものである。書かれた言葉が読者の身体へと
浸透する。

 音を聴いているときの状態にも似た読書体験だ。彼は日本文学史上
初めての、音楽の感じられる作家ではないかしら。クラシック・ファン
の小説家は多いだろうが、作家の身体にしみ込んだ音楽性という面では、
誰も鈴木創士氏には敵わない。近代文学に疎い奴の言うことだが、直感的
真実って存在するの!

 そして、ビート。彼の文体を特徴づけるものである。
 ジグザグにヨタりながら(?)、読者を阿呆船に乗り込ませる魔術的
レトリックの乱打__快楽には素直に負けましょうね。

 「ルネッサンスについての若干の覚書」二篇が、今回、面白かった。
エートル叢書14巻/イヴ・ボヌフォワ「ありそうもないこと」が
読んでみたくなった。

     (現代思潮新社 2011初 帯 J)





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by byogakudo | 2012-01-21 14:23 | 読書ノート | Comments(0)


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