猫額洞の日々

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2012年 01月 24日

子母沢寛「お坊主天狗」読了

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 エッセイしか読んでいなかった子母沢寛の小説に初挑戦。
(「二丁目の角の物語」は小説というより自伝風エッセイに近い
だろう。)

 すぐに時代劇や歌舞伎に脚色できそうなストーリーだ。
 親の敵を討とうとする主人公の動きが物語のダイナモだが、
幕末の本所深川に暮す市井の人々が大勢登場して、いかにも
江戸の空気が伝わる。

 ストーリー背景は七五調の会話の中で過不足なく知らされ、
一応の仇討ちを果たした主人公が、物語の途中で姿を消して
読者と周囲の人々を不審がらせ、はらはらさせる、自由自在な
省エネ筆法だ。この手があったか。

 会話の中で、「味覚極楽」の作者らしく、食べ物の蘊蓄が語られ、
「愛猿記」を思い出させるお猿さんも出てくる。(「愛猿記」、また
読みたくなった。)

(徳間文庫 1990初 J)





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by byogakudo | 2012-01-24 13:44 | 読書ノート | Comments(0)


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