猫額洞の日々

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2012年 06月 12日

サラ・コードウェル「かくてアドニスは殺された」読了

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 シリーズものを最後の作「女占い師はなぜ死んでゆく」から読んで
しまったサラ・コードウェルだが、ようやく第一作「かくてアドニス
は殺された」に手をつけ、読み終える。

 やっぱり最初の作品から読めばよかった。(でも、お師匠さんから
第四作をまず頂いたのだ。)
 性別不明の大学教授、ヒラリー・テイマーと、若い法曹学院の弁護士
たちの活躍で事件を解決するのだが、彼らのキャラクターは第一作で
しっかり書かれているので、二作目以降は、それぞれの個性を読者が
理解している前提になっているようだ。

 と、2006年6月に読んだ「女占い師はなぜ死んでゆく」をすっかり
忘れているわたしが言ってもね。
 再読しよう。ついでに、未整理箱の中にはなさそうな一冊も、手に
入れることにしよう。自家用本作家になっちゃった。

 法曹学院の女性弁護士、ジュリア・ラーウッドが税務署との闘争に
疲れて、気晴らしに美術愛好家向けヴェネツィア・ツァーに参加する。
 ツアー・メンバーのアドニス的美青年が殺され、殺人者と目された
彼女を救おうと、イギリスにいるテイマー教授は安楽椅子探偵を
開始する。

 ところで、むかしの日本の男は、仕事以外は無能力者が多かった。
身のまわりのことは全部、奥さんに頼りっぱなしで、ひとりでは日常
生活が満足におくれなかったものだが__亡父を思い出している
__、ジュリアはまさにそのイギリス女性版だ。

 知性はある。弁護士としても有能。だが、誰か注意して気を配ってくれる
ひとが身近にいないと、裾のほつれたスカートにスカート丈より長いスリップ
で外出しかねないし、愛用のゴロワーズの灰が顔にかかっても無頓着。
アドニス氏から灰を払ってもらうような女性である。

 おまけに性的欲望にも忠実な質で、ヴェネツィア行きには、それもある、
と来ると、まったくかつての日本男児(これは亡父はしなかった。妻を愛して
いたからではなく、面倒だから)ではないか。

     (HPB 1984初 帯)





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by byogakudo | 2012-06-12 17:01 | 読書ノート | Comments(0)


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