2012年 07月 08日

横溝正史「獄門島」読了

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 「本陣殺人事件」に続き、横溝正史の代表作とされる長篇を読んで
みたが、同じような筋立てで、まるで異なる解決方法を見せるのは、
なるほど本格派だ。
 ディクスン・カーを日本でやるために、閉鎖的な山村や漁村を舞台に
とったのだと、ようやく解った。(映画の悪影響をやっと脱する。)

 でも引用するのは、重大じゃないことばかり。

< 獄門島にたった一軒しかない床屋の親方の清公は、横浜に長く
 いたというだけあって、江戸弁が自慢らしかった。しかし、その
 江戸弁たるや、金田一耕助の東京弁同様、はなはだ怪しげなもので、
 多分にスフが入っている。>(p30)

< ところで、その時分のラジオのプログラムによるとこうである。
  一、六時十五分__労働ニュース。
  一、六時三十分__気象通報、今晩の番組。
  一、六時三十五分__復員だより。
  一、六時四十五分__カムカムの時間。>(p101)

 原作は、昭和22(1947)年1月から23(1948)年10月まで「宝石」
に連載されたが、いかにも敗戦後らしさを表す細部である。

 「愛染かつら」ブームの話も出てくれば、モダーニスト・横溝
正史らしく、『第十九章 夜はすべての猫が灰色に見える』
なんて章もある。

     (角川文庫 1976年22版 J) 





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by byogakudo | 2012-07-08 16:26 | 読書ノート | Comments(0)


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