2012年 07月 12日

横溝正史「八つ墓村」1/3

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 わたしは横溝正史月間でもやっているのか。店奥にしまったままの
横溝正史・文庫本を取り出しては読んでいる。ほんとは単行本の
「探偵小説五十年」を(持ち帰らないまでも)開いて、渡辺温の
ことが書かれていないか確かめるのが先じゃない?

 いま開けてみたら、『十風庵鬼話 猫好き猫嫌い』に栞紐がある。
高木彬光がひどい猫恐怖症であるのと、若いとき、万年床に猫を
抱いて眠る習慣だったら、その雌猫が仔猫を生んでも親子で一緒に
寝ようとする話だ。短いエッセイだし、「ねこ新聞」にお知らせする
べきか。

 実際の津山事件のいでたちは、どんな服装だったか知らないが、
小説では、
< その男は詰襟の洋服を着て、脚に脚絆をまき草蛙(わらじ)を
 はいて、白鉢巻きをしていた。そしてその鉢巻きには点(つ)けっ
 ぱなしにした棒型の懐中電燈二本、角のように結びつけ、胸には
 これまた点けっぱなしにしたナショナル懐中電燈を、まるで丑の刻
 参りの鏡のようにブラ下げ、洋服のうえから締めた兵児帯には、
 日本刀をぶちこみ、片手に猟銃をかかえていた。>(p13)

 「ナショナル懐中電燈」とメーカー名を書くところが効果的。

 「本陣殺人事件」や「獄門島」に出てきた、「スズメ色の
たそがれ」がまだ出て来てないのが物足りない。夕暮れ時、光量が
低下するせいで全体にセピア調の風景になるのは、たしかに
「スズメ色のたそがれ」である。

     (角川文庫 1975年24版 フェア帯 J)





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by byogakudo | 2012-07-12 14:44 | 読書ノート | Comments(0)


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