猫額洞の日々

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2012年 07月 18日

川本三郎「マイ・バック・ページ」半分強

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 何の気なしに手に取って開いたら、保蔵幸恵という若くして
自殺したアイドルのページだった。川本三郎が最初に所属した
「週刊朝日」の表紙を飾るアイドルだったそうだが、斜め読み
していると、
< 三年ほど前、私より若い劇作家の高取英が『聖ミカエラ
 学園漂流記』という戯曲+エッセイの本を出したとき、
 そのなかのエッセイで、彼が熱烈な保蔵幸恵のファンだと
 書いているのを知って、彼女から借りたままで、ついに返す
 ことができなくなってしまった絵本を高取英に譲った。>(p42)
とある。

 持ち帰って読んでみると、学生時代の話で、阿佐谷の、
< 私の家のすぐ隣はアパートだった。そこにひとりの風変わりな
 男が住んでいた。昼ごろ私が新宿に"出勤"していこうとそのアパート
 の前を通ると、その男は、ネコを膝に抱いてひなたぼっこをして
 いたり、フトンを干していたりする。坊主頭で眼光鋭くヒゲを
 はやしている。容貌魁偉(ようぼうかいい)。やくざにしては貧乏
 書生の暮らしぶり。いつも美人のカミさんに用事をいいつけられて
 いるところはヒモふうである。>(p86)
 もちろん、1968年ころの麿赤児だ。状況劇場公演で知り合う。

< それから男の前を通るときに声をかけ、やがて"近所のお付き合い"
 をさせていただいた。ネコの名前が「政五郎」という立派な
 ものであることも知った。夕暮れ、怪優がネコに食事をやろうと
 遊びに行っているネコを「政五郎、政五郎」と呼ぶのがなんだか
 内田百閒のエッセイのひとコマのようでおかしかった。>(p86)

     (平凡社 2011年4刷 J)





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by byogakudo | 2012-07-18 16:25 | 読書ノート | Comments(0)


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