猫額洞の日々

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2005年 11月 14日

人体自然発火

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の記述が昔の小説中にあった。海野十三あたり?いえいえ、佐々木邦「ガラマサどん」
(講談社 大衆文学館文庫コレクション 96初)です。初出は30年1月から12月までの
講談社の雑誌「キング」。当時の新階層・サラリーマン社会がおっとり ユーモアを
込めて描かれています。

    立身出世したビール会社社長「ガラマサどん」が かつての恩人の死の様子を
    語るに:
     好い人だった。しかしひどい死に方をしたよ。・・・我輩が医者を呼んで
    来た時にはもう悉皆(すっかり)いけなかったが、未だ煙が出ていた。身体の
    内部が燃え上ったんだから溜まらない。・・・
     大酒飲みだったから、身体中がアルコール分になってしまって発火したんだ
    そうだ。
     自然爆発という奴で、強い酒を飲む西洋人には時稀(ときたま)ある現象だ
    そうだが、日本では初めてだと言って医者が感心していた。煙も出たし、
    身体中が黒くなっていたから、あれは確かに燃えたんだね。
     どうせ酒で死ぬんだと始終言っていたが、実にひどい死に方をした。
    身体中がアルコール分なら、全く危い話だ。斯う(こう)やって葉巻を
    銜えて(くわえて)いれば、口火をつけるのも同じことだから、直ぐに
    爆発する。お祖父さんは屹度(きっと)煙草を吸っていたんだよ。


 最後の「お祖父さん」が恩人のことです。この部分だけ読むとSFみたいですが、
あくまでもユーモア小説ですから、お間違いなく。


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by byogakudo | 2005-11-14 17:51 | 読書ノート | Comments(0)


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