猫額洞の日々

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2012年 09月 20日

ジョージ・バクスト「ある奇妙な死」半分強

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 写真は、阿佐ヶ谷の暗渠・遊歩道沿いのグラスハウス。

 ハリイ・ケメルマンを忘れてジョージ・バクスト「ある奇妙な死」に励む。
図らずもユダヤ系作家が続く。むかしむかし、サリンジャーなんぞを読んで
いたころは、作家の民族性や人種なんて考えたこともなかった。

 あとがきによると、登場人物には旧約聖書がらみの名前がつけられている
そうだが、新約は通読したけれど、旧約はほとんど読んで来なかった。

 ニューヨーク市警の黒人刑事、ファロウ・ラブのファロウは、
<ヨセフの保護をはかった王、イスラエル人に圧迫を加えた王、酷使者。>
との説明。
 売れない、書けない作家、セス・ピロのセスは、
<ヘブライ語で購(あがな)い、替え玉、運命の子。アダムとイヴの子。>(p252)

 浴槽に落ちたラジオのせいで感電死した男娼の葬儀に行ったセス・ピロは、
棺の中のうつくしい死に顔を見て涙を流す。それを見ていたファロウ・ラブ刑事は、
セス・ピロに好感を持つ。

 死んだ男娼のみならず、出てくる男たちはホモセクシュアルがほとんどだ。
 刑事と作家は、ひとりは捜査のため、もうひとりは作品のために、互いを利用
しようという建前つきで、仲良くなる。

 車を運転しているので煙草に火がつけられない黒人刑事は、ユダヤ系作家に
< 「火つけてくれよ」
  セスは煙草を二本くわえて火をつけた。その一本をさし出すと、ファロウは
 身体を乗り出して、口でそれを受け取って、>(p86下段)というラヴシーン
がある。

 あとがきでは、同性愛がいやらしくなく書かれていると、わざわざ解説されて
いるが、1960年代後半の日本でのホモセクシュアルへの対応がわかる。
 いまでもゲイに関しては、芸能者なら許容されるが、一般的な職種では
歓迎されないのだろうか。

     (HPB 1970初)

9月22日に続く~





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by byogakudo | 2012-09-20 15:39 | 読書ノート | Comments(0)


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