2012年 10月 03日

ニコラス・フリーリング「アムステルダムの恋」「猫たちの夜」読了

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 オランダのミステリ作家のHPBだ!と思って、ウェテリンクと
間違えたまま読んでしまった。何をしてる。

 「アムステルダムの恋」は「レベッカ」と同じように死者・エルサの
面影が、彼女を知っていた生き残りの人々に影を落とす。
 かつてエルサと恋愛していた作家がエルサ殺しの犯人視され、房内で
彼女との日々を回想し、少しずつ、ニンフォマニアックなエルサ像が
見えてくる。
     (HPB 1964初)

 「猫たちの夜」は、ちょっとJ・G・バラード「殺す」を思い出した。
新興高級住宅地の思春期の子どもたちが、満たされて管理され過ぎた
生活に反抗するために犯罪行為に奔る。バラードみたいな切迫感はなく、
ファン・デル・ファルク警部が静かに想像と推理を重ねる。
     (HPB 1966初)

 どちらも室内の描写が細かい。特に後者は、家具の趣味や、部屋が
オランダ的に徹底して掃除されているか、それとも居心地重視かと
いった女性的とも思える視点がある。
 後者に出てくる、知性と感受性あふれる売春婦__彼女はクラシックを
聴いて自分の時間を持つ__が、金勘定ばかりの新興高級住宅地の中で、
ただひとり人間的に生きている。





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by byogakudo | 2012-10-03 13:30 | 読書ノート | Comments(0)


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