猫額洞の日々

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2012年 10月 09日

石川淳「夷齋小識」通読/レオ・マレ「ルーヴルに陽は昇る」読了

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 ちゃんと読めば嫌いじゃないであろうと予想される(が、ファンになるか
どうかはわからない)石川淳だ。いまだちゃんとは読んでなくて、「夷齋
小識」を通読してみる。やっぱり小説を読んでみなくっちゃね。

     (中公文庫 1979初 J)

 中公文庫版で昔かなり好きだったレオ・マレのHPBがあったので読んだ。
文庫本での印象は、読み終えてしばらくすると内容を忘れてしまう、だった
けれど、パターンが決まっていた。

 とびきりの美女が出てくる。探偵、ネストール・ビュルマは彼女に惹かれ
翻弄され、美女が悪女であることを知る。(が、懲りずに次の美貌の悪女に
出合うことになっている。)
 美が犯罪を生み、探偵はいつも殴り倒され、それでも生きて事件を解決する
のが、パターンである。

 これもその通りに展開するが、自分のうつくしさが衰えてゆくのに気づく
美女の哀れさ、はかなさが、いい。
 ミステリでもあるけれど、50年代末のパリ風俗史になっている。
 ポン・ヌフの下にはセーヌ河が流れ、都市の漂流者たる乞食や浮浪者が
たむろする。月日の流れに漂い、浮き沈みを重ね、ここにた辿り着いた
かつての華やかな浮かれ女も、老いさらばえた姿を見せる。ヒロインが
長く生きたなら、なりかねない姿である。

     (HPB 1964初)





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by byogakudo | 2012-10-09 14:00 | 読書ノート | Comments(0)


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