2012年 10月 16日

「調光展」に行く

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 昨日Sにくっついて、南青山GLASS GALLERY KARANISで開催中の
「調光展」に行った。

 ガラス器と香りと写真の三要素がどう絡み合うか。期待と微妙な不安を
抱きながら入ってみると、しっかり安定した空間構成である。

 三面の棚に馬越寿氏の様々なガラス器、フロアの真中には黒い布で台を
覆い、まるでパーティの客を待つセッティングされたテーブルの風情で、
香水と写真が並ぶ。6月の「Serie NICHE展」で発表された香水と写真の
一部が奥の方に、手前が新作の鳥の羽根の写真と新しい香りである。

 調香師・Lによれば、「写真を譜面として」香りをつくる。Sの言い方だと、
「写真と香水のコラージュ」だ。

 Lはまた、印刷も手がけるのだが、香水のサンプルを挿みこむ小冊子を
作って展示してある。表紙には小さく羽根の写真がプリントされていて、豆本風。
 黒い布の上にダークチョコレート色の紙を台紙として置き、その上に写真や豆本
みたような小冊子が置かれている。目で食べる食卓である。

 初めて実物を目にする馬越氏のガラス器の繊細さと軽やかなヒューマーが
すてきだ。
 雪や氷が溶けかかったときに現れる細かいヒビを見せる花瓶やお皿、それらに
刻まれた細い・正しい直線のクロス、花瓶の縁に描かれた梯子のイメージ、
縦長や横長の直方体・香水瓶の栓のつまみの球体や扇形、壁に取りつける式の
直方体・一輪挿しの白い蝋石としか見えない表面、ビザンティウムという言葉が
出てくる、くすんだ青の果物を置く足付きガラス台・・・彼のつくり出すガラス器から、
日本のモダーンアートの伝統を思う。
 欧米の作品で言えば、アールデコがいちばん近いフォルムだろうが、とても繊細で
日本、である。

 うっとりしていたら、6月に引き続いて白い薔薇を持って、バレエの方のK夫人が
来てくださる。羽根の写真から、むかしパリの毛皮店のショーウィンドウで見た、
鳰の冠毛だけでつくられたマフの話をされる。

 今週末、20日(土曜日)5pmまでです。楽しかった。

     (「調光展」 於・GLASS GALLERY KARANIS)





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by byogakudo | 2012-10-16 15:58 | アート | Comments(0)


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