猫額洞の日々

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2012年 10月 28日

タッカー・コウ「刑事くずれ」半分強

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 明るくなくて、なかなか好きだ。冒頭から暗い。自分を懲罰的に
閉込めるための塀作りの話から始まる。

 主人公、ミッチ・トビンは不祥事で警察を辞めさせられた。二人で
逮捕に向う規則を守らず愛人宅にいたせいで、相棒が殺された。

 妻は許してくれたが彼自身が自分を許せない。何をする気にもなれず、
やっとやる気を起こしたのが、裏庭全部を取り巻く塀作りだが、幅2f、
深さ2f、長さ7fまで穴を掘ったところで、<なんだか浅い墓穴のようで
面白くない。>(p10上段)
そこへ元刑事の腕を見込んで、組織から調査の依頼がくる。お金も
魅力だが、仕事ができることの方がもっと魅力である。その間は自己
懲罰意識から離れていられる。彼は引き受ける。

 女性のためにはハーレクィンやシルエットなどのロマンスものがある
(男性も読むかもしれないが)。男性のためのそれが、ハードボイルド
ではないか。剣とマントの替わりに拳銃とスーツ、忠誠を誓う貴夫人の
替わりに大抵はブロンドの悪女、自意識ある男の心性を尊重した倫理的な
主人公(読者は安心して感傷に浸れる。)・・・たぶん、そうだ。

     (HPB 1972初 帯 VJ無)





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by byogakudo | 2012-10-28 12:23 | 読書ノート | Comments(0)


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