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猫額洞の日々

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2012年 11月 08日

デイヴィッド・アリグザンダー「恐怖のブロードウェイ」+タッカー・コウ「刑事くずれ/ヒッピー殺し」読了

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 一家にひとり、佐藤薫が欲しい。いま来て手伝ってくれたら
「薫さま」ってお呼びしちゃうぞ。__そんな絶望と恐怖の日々が
ようやく収まりつつある。100%完全回復とはいかなくても、いまの
ところコンピュータが使えている。よかった・・・。

 タッカー・コウの第二作がSから回ってくるのを待つ間、デイヴィッド・
アリグザンダー「恐怖のブロードウェイ」を読む。ええと、どんな話だった
かといえば、1950年代のニューヨーク・ブロードウェイに甦る切り裂き
ジャックの物語。

 Jack the Ripperの訳語はいまでは「切り裂きジャック」に定着したが、
1958年刊のこの翻訳(中田耕治)では「切り裂くジャック」に「ジャック・
ザ・リッパー」とルビが振ってあり、ジャックについての訳注も付いている。

 ブロードウェイのスターや舞台に関する訳注も多い。
<[略]『トウェンティ・ワン・クラブ』の常連は、天鵞絨の手綱を握る
 連中(ジョッキイのこと。パムとジェリイのノース夫妻ファンなら、この
 クラブのことはご存知でしょう。__訳者)が、一人前十二ドルから
 十五ドル、それに税金とチップを含めた」料金で[以下略]>(p61上段)

 俗語使用らしい箇所にもルビ__「おねえちゃん」には「スウィート
ピイ」と振られる。(p62上段)

 アメリカの風俗や文化の知識が今とはかけ離れて少ない頃なので、
必要だった訳注やルビだろう。いま読むにはややうるさいけれど、
古風な味わいとして楽しめばいい。
     (HPB 1958初)

 タッカー・コウ「刑事くずれ/ヒッピー殺し」は、
<[略]わたしはこの家から外へ出たくはない。経済的な必要に迫られ、
 この三月(みつき)ほどまえに家をはなれたばかりである。一年かそれ
 以上、とじこもっていて食べてゆけるだけの金を稼ぐために、ちょっと
 した仕事をしたわけだが>(p20上段)とあるので、第一作で組織から
一万ドル支払われて、まだ三月なのだろう。

 親戚がらみの話で、いやいやながら若い衆(60年代後半のヒッピー
と呼ばれた若い衆)のトラブル解決に乗り出したら、密室殺人事件に
遭遇する。

 あとがきによれば、ミッチ・トビン・シリーズは五編書かれ、第五作で
ようやくミッチはガードマンとして社会復帰を志す、そうである。
     (HPB 1973初)





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by byogakudo | 2012-11-08 14:20 | 読書ノート | Comments(0)


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