猫額洞の日々

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2012年 11月 14日

マージェリー・アリンガム「霧の中の虎」読了/P・アンドレオータ「ジグザグ」再読

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 そう。のんきに読書感想文が書ける事態になれました。やっと。
ハラハラドキドキの2週間がどうやら終わったようで、そう思った
途端、疲れが押寄せてきて身体に力が入らない。
 11月10日付けの新着欄も、ちゃんと更新されましたので、よろしく。
 新着欄
 

 今夜は何を読もうかな、というタイミングで本を売りにきて下さった
お客さまがあり、マージェリー・アリンガム「霧の中の虎」を読んだ。

 映画「太陽がいっぱい」を思い出したのは、野望に燃える貧乏人が
帝都・ロンドンの恐怖、「霧の中の虎」だから。
 世界を手中に収めたいと切望する若い男が、暴力と反射神経と知力で
もってのし上がろうとするけれど、ブルジョアのキリスト教的善意の
前に敗北する物語、と読んだのは、ひがみ過ぎかしら。

 第二次大戦後のイギリスにも傷痍軍人の群があったと知って驚いた。
日本の傷痍軍人と同じように、戦争で傷ついたひとだけでなく、職の
ない身体障害者も混じえて軍楽隊をつくり、行進して喜捨をつのる。
かれらのアジトの描写が圧倒的で、編中でいちばん印象に残る。

 ブルジョアとプロレタリアート間の階級的争いが、狩人と獲物の
関係にスライドする。「霧の中の虎」が身分を弁えて、社会秩序の
中で相応の成功を望んだならば受け入れられただろうが、彼は暴力で
一足飛びにやろうとしたので、獲物と見なされ、追いつめられる。
     (HPB 2001初 帯 VJ)

 2007年に一度読んだ、ポール・アンドレオータ「ジグザグ」、
やっぱり、なかなか好みだった。初めて読む気分で読めるのが
すごいじゃないのと、記憶力の減退を慰めよう。
     (HPB 1972初)
 フレッド・カサック「日曜日は埋葬しない」、まだお客さま宅に
借りに伺っていなかった。いまだご所持であろうか。カサックは
できればお借りするんじゃなく所有したい。





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by byogakudo | 2012-11-14 14:36 | 読書ノート | Comments(0)


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