2012年 11月 27日
click to enlarge 大富豪の女性が離婚しかけている女友だちを招待する。さらには 彼女たちの別居中の夫たちまで招いて、彼らの中を修復させよう なんて試みるものだから、招待客の女性三人が立て続けに殺される ことになる。 大金持ちの女性の悪意はないが思慮に欠ける行動を見ていると、 彼女は戦後のアメリカ(の振舞い)そのものではないか。原作は 第二次大戦が終わる年、1945年刊行だ。 世界に自由と民主主義を広めよう。それこそ正義である。__ との善意から、国情や周辺の国家とのバランスを考えずに戦争に 飛び込んでは泥沼に陥り、懲りることを知らないアメリカ。作用に 対する反作用としてテロが起きるのは当然としか思えないが、アメリカ 及びアメリカ人は、なぜこの善意が通じない?と、理解に苦しむのかしら。 でも、ナイーヴもほどほどにしないと嫌われる。 戦争はアメリカの巨大産業のひとつだから、しない訳には行かないの だろうが、まわりが迷惑を被る。 そんなことを考えてしまうのは、わたしが謎解きをしないミステリ読み だからで、本格派とサスペンスの融合されたミステリであろうとは、 こんな奴にも解る。 だけど、終盤、警察が介入してきてからの、たたみかけるような推理 大展開ないし大転回は、フィギュアスケートではないけれど、エンディング に持ってゆくための無理な姿勢の変更や流れの変え方に感じられて、 フィニッシュの台詞は決まっていたが、いまいち、好きだと言えない。 本格派の楽しみ方を知らない、といえばそれまでの話である。 (扶桑社ミステリー 2005初 J)
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by byogakudo
| 2012-11-27 13:46
| 読書ノート
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