2012年 12月 01日

戸板康二「女形余情」読了

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 久しぶりにおだやかな本を手にとる。

 第一部の第一章に当る「女形余情」は、「演劇界」昭和60(1985)年
1~12月号に連載された、女形たちについてのエッセイ。
 第二章「女形異彩」は、「演劇界」昭和61(1986)年1~12月号に連載。
 第一部の第三章に当る「名優の御馳走」は名役者たちが、らしくない
役を演じたときの話。「演劇界」昭和59(1984)年1~12月号に連載。
 第二部・第三部には1980年代後半、いろいろな媒体、パンフレットや
新聞などに書かれたエッセイが収められている。

 歌舞伎のことなぞ何も知らないから、ましてや役者の名前が出て
きても、大半はイメージが浮かばないのだが、おっとりした文体が
気持いいので、ゆっくり読み進める。

 第一部の第二章に当る「女形異彩」の「河原崎国太郎」の項で、
戦後の前進座で「ツーロン港」に出演した国太郎について、

< この劇に、国太郎がツウルモンド夫人という金満家の役で出た
 [以下略]
  いまそのツウルモンドを思い返した時、京都の花街から西洋の
 富家にとついだ、ラグーザお玉が連想される。四十代ぐらいの時に、
 この女形の「お玉一代記」を見たかったというそんな空想にふけった。>(p56~57)

 <京都の花街から西洋の富家にとついだ>のは、モルガンお雪だが、
訂正されていない。戸板康二が観たかったのは河原崎国太郎の「お玉
一代記」なのか「お雪一代記」なのか、どっちだったのだろう。

 第二部の「小村雪岱」は、小村雪岱のひとと作品について、かなり
詳しく書かれている。
 (11月はパソコントラブル続きで、赤坂の「小村雪岱展」にも、
横浜での「さわ ひらき展」にも、代官山のEP-4にも、あれもこれも、
どれも行けなかった。思い出すと疲れが倍増するから考えないように
しているが、それにしても悔しい。)

 「小村雪岱」の次が、急死を受けて書かれた「小泉喜美子さんの
遺著」。

 心やさしい追悼文を読んだ後に思い出すにしては不謹慎だが、
赤塚不二夫の「地獄の交友録」だったか、赤塚不二夫が内藤陳から、
 「20万つけるから、彼女を引き取ってくれないか」と頼まれる話が
あった。断ると、
 「なんなら30万にする」と言われたそうだ。内藤陳に頼む前には、
彼女の前夫に頼んで、やはり断られた由。どこまでが洒落で、どこから
本気だろう?

     (三月書房 奥付欠・1987初? 帯 J)

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by byogakudo | 2012-12-01 13:28 | 読書ノート | Comments(0)


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