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「夜歩く」や「蝋人形館の殺人」も読んだと思うのだが、さっぱり
覚えていない。あれらがバンコラン探偵ものだった、という記憶
さえなくて、わたしの記憶は一体どこに落ちているのだろう?
引退して地味になったと書かれていても、まるで初対面の感じで
読むアンリ・バンコランの名推理である。
数字でいえば「2」がキーワードで構成された物語と言えよう。
シンプルな構成に装飾があれこれ加わり、複雑怪奇に見える。
探偵小説は、大体そういう作りなのだけれど。
最後に出てくるカードゲームが、腕前とは関係なく、ただ運だけで
勝負がつくようなゲームで、賭事には興味がないが、なかなか迫力
あるシーンだった。
(HPB 1993年3版 VJ 復刊帯)
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