2012年 12月 27日

E・リチャード・ジョンスン「モンゴが帰ってきた」読了

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 刑務所の房の扉に手をかけた写真は、宣伝用に囚人服姿で
ポーズしてるのかと思ったら、実際、収監中だったそうで、頁を
繰ってみるとクリスマス・シーズンの物語だ。

 原作は1969年刊。今から40年以上前のクリスマスを思い浮かべ
ながら、23日(日)から読み出し、25日(火)読了。

 売春と麻薬の街にもクリスマスを前に雪が降り始める。聖なるホワイト・
クリスマスが約束されたかのような汚辱の街を背景に、善悪が対峙する
クリスマス・ストーリーだ。
 悪を代表するのが殺し屋、モンゴ・ナッシュ、善の代表がFBI特別
捜査官、リー・ゴードン。物語は、主にふたりの視点から交互に記述
されてゆく。

 殺し屋は誰を殺害すればいいのか解らずに依頼を受け、育った街に
帰ってくる。FBIは、偽札事件が起きたので派遣されてきた。
 ふたりはいつ相見えるかと思わせながら、たたみかけるようなビートで
物語が進む。原文で読めば、もっとカッコいいかもしれない。

 犯罪社会の連中も、警察やFBI捜査官も、不穏な空気にいらだちながら
同時に、ひとりぼっちでクリスマスを過ごすことを恐れている。
 アメリカ人にとってのクリスマスは、そういうもののようだ。家族や友人と
過ごせないクリスマスとは、拷問に近いものらしい。

 「ブルックリン最終出口」とまでは行かないが、好きだ。ちっぽけな悪党
どもの焦燥感がいい。第一作「シルヴァー・ストリート」も店奥から見つけた
ので、冬休み用に持ち帰ってきた。

     (HPB 1973初 VJ 帯)


 今年も終わります。どうもありがとうございました。
 来年もよろしくお願いいたします。
 





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by byogakudo | 2012-12-27 22:43 | 読書ノート | Comments(0)


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