猫額洞の日々

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2012年 12月 30日

冬休み行状記 3 (2012年度末)/フリーリング「雨の国の王者」

 まちがえて読んでしまったニコラス・フリーリングだが、3冊目を見つけた
のでものはついで、読んでみた。これ(「雨の国の王者」)がいちばん
面白いのではないかしら。

 大企業の跡継ぎが40歳にもなって家出したので密かに探してほしいと、
企業の幹部がアムステルダム警察に現れ、主人公、ファン・デル・ファルク
警部が御曹司探しにウィンターシーズンのヨーロッパの観光地を彷徨うお話。

 費用はいくらかかっても会社持ちであり、ファン・デル・ファルク警部も
御曹司を求めて、富豪階級の出入りする場所に顔を出す。
 室内描写が多いフリーリングの特徴はいつも通りだが、今回は、直接登場
しない跡継ぎの心理を描くのに、ぴったり即している。作者の好みだけでなく
必然性がある。

 文中でもファン・デル・ファルク自身が、まるでメグレ警視みたいだと思う
場面があるが、たしかにメグレ/シムノンの香りがある。大富豪・ブルジョア
階級の感じ方や考え方になじめないところなどもメグレ的だ。

 1966年の原作なので、まだカード社会ではなく、大金持ちが銀行で現金を
おろすシーンがあった。(p74下段)

     (HPB 1969初)





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by byogakudo | 2012-12-30 14:08 | 読書ノート | Comments(0)


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