猫額洞の日々

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2013年 03月 07日

中井英夫「黒鳥の旅もしくは幻想庭園」まだ続く

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 『日本人の貌[非国民の思想]』は、平凡社1971年8月刊の『日本写真史
1840-1945』を見ながらの考察だ。

<[略]幕末から敗戦までの百年あまりの歳月に、日本人がどういう顔をして
 歴史を生きてきたか[中略]外でも内でも戦争ばかりくり返してきた日本人が、
 [中略]同胞に対しては飽くことのない差別と搾取とを続けて、結局は一握りの
 権力者を富まし、逆にまたそいつらにへつらうためならば、どんな卑劣なことでも
 大義名分をつけてやってのけるという[中略]表情が、隠すすべもなくあらわれて
 いる。二度と見たくないと思わせるそれらの表情がまちがいもなく日本人のもので
 あるならば、そして、この系譜につらなるものだけがこれまで"正国民"として容認
 され、逆に、これが日本人であっていい筈はないと逆らい、違うと絶叫し、空しい 
 抵抗を続けた者が"非国民"としか呼ばれなかったとするなら、私はやはり最後まで
 "非国民"でありたいと願うほかはない。どう嫌おうと拒否しようと、ここに写って
 いる日本人はまぎれもない私の同胞であり、その血はまた音を立てて私の中にも流れ
 こんでいるのだから。>(p93)

 初出は、『思想の科学』1973年1月号・非国民の思想特集、である。
 わたしは中井英夫をまったく理解していなかった、誤解してきたのだと反省する。





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by byogakudo | 2013-03-07 21:11 | 読書ノート | Comments(0)


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