猫額洞の日々

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2013年 03月 13日

山田風太郎「妖説太閤記」と向井敏「傑作の条件」併読中

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 1945年に青年・山田風太郎は23歳。中井英夫も同い年だ。
「妖説太閤記」を読みながら「黒鳥の旅もしくは幻想庭園」の
"非国民"意識と、風太郎の"列外へ"思想に共通するものを感じた
のも当然か。死を免れ、あらためて生きることを始めなければ
ならなかった、若い男たちだ。
 同世代の死者たちに取りまかれ、生き延びていることに違和感を
感じながら戦後を生きる。鬱屈し、書くことにそれは反映する。
表現は異なるが。

 三島由紀夫は1925年生まれだから、敗戦時は20歳。この時代で
2~3歳の違いは大きい。前二者とはかなり違う時代の空気に包まれて
少年期を過ごしただろう。
 ひとの感受性や性向は子どものころに完成する。三人の作家は忠実に
それぞれの生を生きて書いた、ということか。

 「妖説太閤記」は、アグリー・ジャパニーズの肖像かしらと思いながら
読んでいるが、地下鉄で読むには厚いので、向井敏「傑作の条件」を読み
出した。彼も猫好きのようだが、「ねこ新聞」にはすでに収録されている
だろうか。

     (山田風太郎「妖説太閤記」上巻 講談社文庫 1979年3刷 フェア帯 J)
     (向井敏「傑作の条件」 文春文庫 1992初 J)





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by byogakudo | 2013-03-13 13:23 | 読書ノート | Comments(0)


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