猫額洞の日々

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2013年 03月 17日

向井敏「傑作の条件」読了

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 こういう風に書かれているのが書評と呼ばれるのだろう。著者による
<後記>では、<エッセイか書評か、はっきりと区分けしにくいものが
私の文章にはかなり多い。>(p361)とあるが、取り上げられた本が
どんな内容であるか、読んでない読者に伝わるし、著者の着目点も
伝わる。

 わたしは自分のための感想文しか書いてこなかったと反省するが、
近頃は本の内容が知りたければ、すぐweb検索でわかるような時代だし、

< 山崎正和に、本でも芝居でもその内容を手際よく要約できないようでは、
 そもそも批評家の資格がないという意味の発言があるが、[以下略]>
(『シネマディクトの師範』p234)___批評家云々はともかく、ほんとに内容
要約の必要があるのだろうか。

 大抵、読んだ直後の反射的な感想文で終わっているので、あとでどんな本
だったっけと、すっかり忘れてしまい、本人にとってもやや困ったことになって
いるが、ブックガイドを目指した覚えはない。(不親切なガイドを目指した
ような気がしなくもない。)

 まあ、端正で丁寧な文章ではあるけれど、タイプの作家ではなかったので、
ごにょごにょ言ってるだけで、わたしはもっと熱狂的な批評が好きなのだろう。

     (文春文庫 1992初 J)





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by byogakudo | 2013-03-17 13:50 | 読書ノート | Comments(0)


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