2013年 04月 28日

コレット「黄昏の薔薇」再読中

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 写真は雑司ヶ谷で。

 岩波文庫版「シェリ」にはどうもノレなかったと書いた覚えがあるの
だけれど、はて、見当たらない。

 まあいいや。大好きな深尾須磨子訳の「黄昏の薔薇」が、わたしの
「シェリ」だ。何十年ぶりかに読み直している。

 愛していた本や映画を再読・再見すると、内容がまるで違っていたり
して驚くことが多い。また、見方が変わっていることにも気がつく。
 「黄昏の薔薇」の場合、若い頃はもっぱらヒロインのレアに注目して
読んでいたが、今回はシェリの生計の立て方に気がついた。岩波文庫版
のときにも読み飛ばしていたが、シェリは17歳のrentierだった!

< 彼は、細心な利息生活者の若年寄になって十七歳を越えた。いつも
 美しく、しかも弱々しく、息遣いはますます忙しくなった。穴蔵につづく
 階段で、プルー夫人[注 シェリの母]は一度ならず彼に出くわした。彼は
 棚の壜を数えてそこから出て来るのだった。>(p27)

< 「プルー夫人、尊敬する母上よ、心配しなさんな。僕がおりさえすれば、
 決してお前を困らせはしないよ。お前は、アメリカ製の足布団の下で、
 熱さに死ぬほどの思いをするだろう。ね、僕は、後見人としての意見は
 持たないよ。お前の財産は僕の財産だ。僕に任せなさい。[以下略]>
(p26)

 レアは生きることを楽しむためにお金を使うタイプの高等娼婦だが、
同じ高等娼婦のプルー夫人はフランス・プチブルの伝統でもある、お金を
溜め込むタイプであり、息子のシェリもその手合いだった。ギリシャの神
みたいな美貌なのに。

     (角川文庫 1956初 裸本)





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by byogakudo | 2013-04-28 14:34 | 読書ノート | Comments(0)


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