2013年 06月 09日

レイモンド・マーシャル(J・H・チェイス)「フィナーレは念入りに」/石井妙子「おそめ 伝説の銀座マダム」

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 レイモンド・マーシャル名義のハドリイ・チェイス「フィナーレは
念入りに」を楽しく半分くらいまで読んでいるが、買取り本の中に
あった石井妙子「おそめ 伝説の銀座マダム」を覗くと、こっちも
面白くて、併読しよう。

 「フィナーレは念入りに」は典型的な悪女もの。ミラノで、
もぐりの観光ガイドをしながら暮らす男が、イタリアの大富豪
夫人であるアメリカ女と知り合い、恋に落ちる。

 彼女が、絵に描いたような悪女。
< 二十五から三十の間ではないだろうか。私は見当をつけた。
 何よりもすばらしい体だった。[中略]
 [注:ブラウスの]胸は思いきって開けている。髪はショート・カットと
 いうのだろう。それがウェーブして美しい。赤毛だった。つやがある。
 磨きこんだあかがねと思えばいいだろう。眼はややはなれ気味で、
 大きい。唇となると燃えるようだった。はっと、息をのむほど、赤い。
  一般的な意味で美人といえるかどうかはわからない。しかし、目立った。
 ちょうど、暗い通りにひとつだけぽつんとついている真赤なネオンのような
 ものだった。>(p10下段)

 赤信号と見てとったなら近づかなければいいものを、ガイドブックを手に、
主人公の男のほうにやってくる彼女に、彼はガイド役を売り込む。
 あとで彼女がミラノ郊外の大金持ちの妻であると知ったとき、すぐさま
罠だと気づいてもよさそうだが、そのときはもう恋に狂っていたので、
手遅れ、というところまで読んだ。

     (HPB 1971初 VJ無)

 石井妙子「おそめ 伝説の銀座マダム」は、銀座のバー「おそめ」の名前しか
知らないので、読んでみようと思う。
 京都と銀座にバーを出して、飛行機で行き来していた伝説のマダムだそうな。

 ちらりと覗いた頁に、映画「風船」のことが書かれていて、下宿屋の娘
(左幸子)がアルバイトしているバーが、実際の京都木屋町の「おそめ」で、
マダム・おそめ本人が出ている、とある。
 川島雄三「風船」も好きな映画だったのに、このシーンを覚えていない。
DVDがあるなら再見しなくっちゃ。

     (新潮文庫 2009初 帯 J)


 Sたちはまだ、明後日からのTerrain vague展のための搬入とセッティング中
だろうか。





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by byogakudo | 2013-06-09 10:33 | 読書ノート | Comments(0)


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