2013年 07月 10日

米原万里「旅行者の朝食」読了

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 こんなに食える女がいたのか。家を建てることになり、参考に
しようと、神戸の異人館巡りをしたときの記録がある。

 滞在期間・2日間なので、神戸で昼食をとるために飛行機を使う。
宿を決め、北野異人館街にあるフランス料理店へ。コース料理の
前菜やサラダ(鮑と平貝)、ブイヤベースがおいしくて
<ついパンをむしゃむしゃ食べてしまった。>
 グラスワインもおいしくて二杯。メインの鯛料理も一瞬で平らげ、
デザート二種類とコーヒーである。
<店を出る段になってはじめて、いつになく食べ過ぎていることに
 気づいた。動きが緩慢になるほどに満腹している。>(p179)
 腹ごなしを兼ねた異人館巡りをして夕方、ホテルに戻り休憩後、
夕食は天ぷら、食後の果物付き。(p181)

 翌日は朝食を抜き、異人館巡りをして
<なるべくお腹を空かせる。>(p181)
 昼食はステーキ店でコース。蕪のスープ、グリーンサラダ、
デザートはラズベリーパイ。メインのステーキは、
<おそらく日本人の一般的な好みにはピッタリ合っているのだろう。
 でも、わたしは、ステーキは、もっと歯ごたえがあって味の濃い、
 そう血の味がするものの方がいい。>(p182)
 腹ごなしの異人館巡りをして、元町のケーキ屋で六種類のケーキを
買う。東京に戻ってから試食、とあるから、お土産ではないようだ。
 すぐ近くの別のケーキ屋で
<味の濃いフルーツとバニラアイスとミントシロップ>の
一品を食した後、はす向かいの店で豚まんじゅう・三個、それほどの
味ではなくとも平らげる。さらにはす向かいの店で、おいしい焼き餃子・
一人前。
<さっき豚まんで腹を満たしてしまったことをひたすら後悔した。そうで
 なければ、あと一皿は軽かったのに。>(p182~183)
 神戸での最後の食事は、懐石料理。
<期待に違わぬ美味しさと言いたいところだが、その直前に意地汚く食べ
 歩いていたため、腹内空間に余裕がなかったこと、帰りの飛行機の離陸
 時間を気にして一時間足らずも店にいられなかったため、きちんと味わえ
 なかったのが、ひたすら残念。>(p183)

 書き写すだけで胃に堪える。父方の親族みんな、美食家の大食漢である
(遺伝)のと、子ども時代を過ごしたソビエト学校の夏休み林間学校(三ヶ月)
での一日六食の生活(環境)とが、彼女の偉大な食欲をを育てたのだろうか?

     (文春文庫 2004年3刷 帯 J)





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by byogakudo | 2013-07-10 15:38 | 読書ノート | Comments(0)


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