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猫額洞の日々

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2013年 07月 16日

E・S・ガードナー「検事鵞鳥を料理する」読了

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 むかし友人から聞いたことがある、ロスアンジェルスはとても
乾燥しているので、洗濯した服をクローゼットに吊るしておくと
乾いてしまう、と。

 「検事鵞鳥を料理する」の舞台は11月の南カリフォルニア
だが、
<砂漠の風に乗って南カリフォルニアにやってくる乾ききった
 暑さが人々をぐったりさせていた。>
< こういう東風の吹く日は湿度計の目盛りはゼロになるの
 だった。顕微鏡で見ねばわからぬような砂塵の微分子が
 空中に舞い、人々の歯の間にまではいりこんだ。それに紙
 までが張力を失ってしまったため、買物客は品物を入れて
 もらった紙袋をおっかなびっくりで扱っていた。ちょっと
 でも無理をすると、紙袋は突然ぱんと裂けてしまい、舗道に
 買った物を抛り出してしまうのだった。>(p7上下段)
 おそろしい。

 ペリイ・メイスンは弁護士、こちらのダグラス・セルビイは
地方検事で、女友だちはいても、デラ・ストリートに当たる
女秘書はいない。彼より年長のレックス・ブランドン保安官と
組んで仕事をする。ペリイ・メイスン・シリーズより謎解きが
複雑に見える。
 どうせ自分では謎解きしようと思ってないので、どっちみち
同じことだが。

 敵役で出てくるアルフォンス・ベーカー・カー(通称ABC)刑事
弁護士がキャラクターとして面白い。ペリイ・メイスンを裏から
見たような存在で、法律に詳しく、絶対に自分が損をしないよう、
うまく立ちふるまう。喰えない奴だけれど、主人公、ダグラス・
セルビイ地方検事は、彼を認めている。大人じゃん。

     (HPB 1960初 VJ無)





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by byogakudo | 2013-07-16 13:20 | 読書ノート | Comments(0)


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