猫額洞の日々

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2013年 08月 06日

ジョン・ボール「夜の熱気の中で」読了/鈴木創士氏のコラム「第41回 悪魔……」

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 あんまり暑いので、いっそ暑そうなミステリにしよう。

 真夜中になっても熱気が居座っているアメリカ南部の小さな町である。
深夜パトロール中の警官が、町起こしのための音楽祭・指揮者の死体を
見つける。警官は不審者の探索を命ぜられ、駅のベンチで列車を待つ、
よそ者の黒人男性を発見、容疑者として連行する。
 1965年頃の南部である。怪しまれても無理はないが、黒人はカリフォル
ニア州の優秀な犯罪調査官であると解り、殺人事件の調査に協力を依頼
される。

 リベラルなカリフォルニアや東部の大きな街ではない。白人たちに根強い
黒人蔑視がある南部の小さな町だ。一緒に調査することになったパトロール
警官は、戸惑いながら黒人刑事をパトロールカーの隣に乗せ、彼の緻密な
捜査を目の当たりにして、黒人への認識を新たにする。

 保守的で閉鎖的な共同体の中で調査は難航する。黒人刑事は、南部の
白人たちとの距離を測りながら慎重にふるまい、綿密な捜査により事件を
解決する。

 彼の思考方法はシャーロック・ホームズ的な観察に基づいている。本格派
ミステリとアメリカ南部の問題__黒人問題というより貧困問題だ。黒人を
蔑むことで自尊心を保とうとするホワイトトラッシュや、北部への警戒心が
捨てられない南部人気質が描かれる。__を扱う風俗小説の部分とが
よくブレンドされている。

     (HPB 1967初 VJ無)


 昨日は8月5日。鈴木創士氏のコラムは、第41回 悪魔……





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by byogakudo | 2013-08-06 20:48 | 読書ノート | Comments(0)


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