2013年 08月 07日

ガリコ「ハリスおばさんパリへ行く」読了

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 写真はいつだったか、佐竹商店街近くで。

 一昨日(8月5日)、荻窪に用があった。終わってSと待ち合わせる。
暑いのにやっぱり歩く。旧角川源義邸に行ったが、角川邸手前には
「ささま」がある。

 表の棚で2冊、「ハリスおばさんパリへ行く」と小林信彦「怪人
オヨヨ大統領」(角川文庫)を買った。レオ・マレが4冊並んでいたが、
あえて見逃した。いくら薄い文庫本とはいえ、6冊持って暑さの中を
歩く元気がない。

 角川邸の後、Sが地下鉄・南阿佐ヶ谷まで歩こうという。いったん
裏手に出てみたら、広々とした空地と低層ビル群が目の前に広がる。
 「いやよ、こんなかんかん照りの中!」と断固拒否して、大田黒公園
経由の荻窪駅へ。何とか無事に戻ってきたが、そのときのガリコだ。

 名前は知ってるし、ガリコないしギャリコの他の本は売ったことがある。
読んでみると、リング・ラードナー系か。

 さわやかで嫌みがなく、人間の善意を扱いながら甘ったるくならない。
ロンドンで通いの女中をしているハリスおばさんがある日、ディオールの
ドレスの美しさに取り憑かれてしまい遂に念願を成就させるという、一種の
おとぎ話だが、リアリティがある。

 パリでもロンドンでも人間は人間であり、階級に関係なく人はつき合う
ことができる__ここらはとてもアメリカ的__のを無理なく読ませるし、
賢いハリスおばさんであっても、ときには人を見る目を誤る失敗もある。
 この苦さの認識がいいのだろう。

     (講談社文庫 1980再 帯 J)





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by byogakudo | 2013-08-07 13:32 | 読書ノート | Comments(0)


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