2013年 08月 11日
ずいぶん久しぶりのレックス・スタウトだ。これは読んでないと確信(?) したが、その通りだった。 アメリカのミステリ作家にしては落ち着いてる印象なのは、どこから来る のだろう? ギャグも入るし、活劇風の場面だってあるのに、むしろブラウン 神父シリーズに近いヒューマーを感じたりする。長篇なのに。 名探偵の推理と捜査活動とが、ネロ・ウルフとその手足となって行動する アーチー・グッドウインとに分かれているのが、もしかしたらその原因かも、 と思う。 物語を記述するのは手足であるアーチー・グッドウイン、しかし彼の行動は ほぼすべて頭脳であるネロ・ウルフの指示に沿っている。この分離した距離感に よって落ち着きがもたらされているのではないかしら。 ネロ・ウルフとアーチー・グッドウインは、ふたりでひとり、だから彼らの 会話は、ひとりでボケとツッコミをやっているようにも思える。一個人を客観的に 外部から見た記述と、内面視する記述とが混在しているように感じられる。 ギャグを強迫観念的にしつこく入れないし、アクションシーンも一度 あるくらい。淡々と記述され、大人っぽさが印象づけられる。かな? (HPB 1956初 VJ無)
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by byogakudo
| 2013-08-11 10:47
| 読書ノート
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