猫額洞の日々

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2013年 08月 24日

ディクスン・カー「火刑法廷」読了

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 ヤケの強さに閉口しながら、なんとか読了。ほとんど字面を追ってる
だけみたいな読み方だったけれど。つまり、あんまり好みではなかった。

 主人公はニューヨークの出版社に勤めているが、彼ら夫婦の郊外の
別荘地で、隣家の老人が死亡する。最初は病死と思われていたが、
どうも砒素で殺されたらしいとわかる。そこから両家の人々、警察、
主人公が担当する怪奇実話作家たちが、喧々囂々、長々しい討論を
重ねてゆく。

 何しろ砒素中毒かどうかを調べるために墓所を改めたら、棺には
死体がない。隣家の雇い人が老人に薬物を与えた女の姿を目撃した
が、女は壁の中に消えてしまったとしか見えない。主人公の妻は、
毒殺魔ブランヴィリエ侯爵夫人の生まれ変わりみたいで主人公が
悩んだりと、怪奇の要素はたっぷりだが、怪奇風味は少ない。

 登場人物たちはしきりに、怪しい、不可解だと騒いでいるが、読んで
いる側にそれが伝わって来ない。記号化された人々が出てくるTVドラマ
でも見ているような感触で、本格ミステリに向かない体質なのだと、
あきらめもつく。

 謎が合理的に解決された後に、怪奇小説的ひねりが加わるところが、
ミソなのかしら、たぶん。

     (HPB 1955初 VJ無)





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by byogakudo | 2013-08-24 15:10 | 読書ノート | Comments(0)


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