猫額洞の日々

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2013年 08月 27日

ジョン・ボール「白尾ウサギは死んだ」読了

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 人種差別の激しい南部から、当時としてはリベラルな西海岸
パサディナ警察署__同僚には日系アメリカ人もいる。__に
戻ってきたヴァージル・ティッブス捜査官。
 今度はヌーディスト・クラブのプールに浮いた身元不明の死体を
調査することになる。

 黒人の犯罪捜査官と同じように偏見の目で見られやすい、社会的
少数派がヌーディスト・クラブだ。経営者の一家は平等意識が強い
ので、ユダヤ人や二世の参加希望者に門戸を開いている。黒人の
捜査官も拘りなく受け入れる。却ってティッブス捜査官の方が、
裸体の若い白人女性に対して困惑する。

 昨日8月26日付け「東京新聞」夕刊に、ワシントン大行進の記事が
出ていた。キング牧師の夢の実現例、黒人で大学教授である女性
(62歳)が紹介されている。
 南部育ち、父はたばこ会社の清掃員、父の勤め先から奨学金を勝ち
取って大学に入学、いまの地位にまで至った。その彼女が、
 「私が人生で二人目の黒人大統領を見ることはないだろう」と言う。

 「白尾ウサギは死んだ」原作は1966年刊行。ワシントン大行進は
1963年。まだ3年しか経っていない、そんな時期に、シャーロック・
ホームズ的頭脳を持ちながら、捜査の度に人種偏見に悩まされる
ハンディを克服しつつ仕事を成し遂げる黒人ヒーローを描く。
 画期的なことだったのだろう。

 話がずれるけれど、ヌーディスト・クラブってプロテスタン的だ。
カトリックのお坊さんは水着をつけて入浴するとか読んだ覚えが
あるけれど(ほんとかどうか知らない)、それもヘンだと日本人と
しては思うが、近代化され工業化された社会へのアンチとしての
自然回帰で衣服を脱ぐというのが、どうも短絡的過ぎて、この
直接的反応は、プロテスタンではないかと思った次第。

     (HPB 1967初 VJ無)





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by byogakudo | 2013-08-27 17:04 | 読書ノート | Comments(0)


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