ゴア・ヴィダル(エドガー・ボックス)でも言及されていた
クリスティーだ。
ハーレクィン氏シリーズでの著述者、サタースウェイトが登場
する長篇ミステリで、もしかして読んでるかもしれないと思い
ながら読み終えた。たぶん読んでない、ということにしておく。
こちらも海辺の別荘である。『黒鴉荘』に住むのはマダムでは
なく引退した男優。引退はしたけれど彼の日常には演技臭が
つきまとい、サタースウェイトはそれを面白がっている。
ここでもパーティで殺人事件が発生し、さらに別の集まりで再び
殺人事件が。
男優と彼に惹かれている若い娘、サタースウェイトの三人で犯人を
探そうとしているところにエルキュール・ポワロ登場。ポワロを顧問格に
それぞれが調査に走る。
クリスティーのミステリなので、もちろん恋愛話が絡む。若い娘は年上の
男に憧れながら、同世代の男友だちも嫌いじゃない。サタースウェイトは
彼女の恋の駆け引きを微笑ましく見守る、という本格ミステリだ。
(HPB 1954年 VJ無)
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