2014年 01月 11日

吉屋信子「自伝的女流文壇史」読了

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 写真は2013年12月07日付けブログに記した、寿町の雑貨(?)屋さん。
 近頃、商売に関して、「何々屋」を使わず、「何々店」と表記される例を
多く目にする。「八百屋」ではなく「青果店」、「古本屋」は「古書店」の
ように。
 新聞のDVD紹介欄に<CIAを辞めた花店が...>という解説があって、
「『花店』? 花屋のこと?」と一瞬、戸惑った。「何々屋」では蔑視してる
ように思われるのか。「何々させていただく」時代だから、あり得る感じ方
だけれど、気にし過ぎて却って無礼に、わたしは感じる。

 
 女性の職業としての作家、という視点で「自伝的女流文壇史」を
読んでみた。職業には対価が発生する。原稿料や、作家的知名度に
比例して頼まれたりする講演会の謝礼等がそれだ。
 原稿料及びその派生的収入で生計を立てていたのは誰だろう。

 まず作者、吉屋信子は原稿料組。
 登場順に、田村俊子は、借金経済の感じだ。
 岡本かの子、一平との共同経済か?
 林芙美子は、原稿料組。
 宮本百合子、実家はお金持ちでも作家生活は原稿料組?
 三宅やす子は、原稿料に加えて亡夫の年金があったのではないか?
 真杉静江は、武者小路実篤等からの援助?
 長谷川時雨は、初期は実家暮し、三上於菟吉がベストセラー作家に
なってからは、夫の経済下にあっただろう。
 矢田津世子、愛人からの経済援助もある?
 ささき・ふさ、佐佐木茂索・夫人。
 山田順子、夢二や徳田秋聲との愛人生活費?

 べつに調べたわけではなく、吉屋信子の文章から読み取れる範囲での
経営状況に過ぎないが、経済的に自立した女性作家は少ない、ように
見えてくる。だからといって、彼女たちの作品を貶める意図はない。知名度、
本の売れ行きなどに関係なく、彼女たちは作家を志し、作品を残した/残そう
とした。

     (中公文庫 1977初 J)





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by byogakudo | 2014-01-11 14:46 | 読書ノート | Comments(0)


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