むかし読んだ光文社文庫版、綺堂・怪談集になかった短篇が読めるので
手に入れたが、それほど面白がれなくて(むろん悪くはなかったけれど)、
少し残念だ。
単行本未収載の二篇は、あまり楽しくなかったし、『火薬庫』は覚えて
いる、『医師の家』も覚えていた。近年読んだものと違って、まだ若い頃に
読んだ本は覚えているらしい。今では薄い記憶の上にさらに薄い記憶を上書き
するような塩梅なので、どうにも淡白な記憶しか持てない。
「岡本綺堂読物集・五」は「古今探偵十話」とあるが、これにも単行本
だけの短篇が収められるようで、やっぱり買って読むのだろう。
近頃の出版物のジャケットが、単行本、文庫本を問わず、漫画風のイラスト
レーション使用なのが、やっぱり馴染めない。キャッチーであるというのは、
違う方法で可能だと思う。
(中公文庫 2013初 帯 J)
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