猫額洞の日々

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2005年 12月 12日

「クールな男」

(マルセル・エイメ 福武文庫 90初帯)を読み始める。「壁抜け男」みたような
ファンタシーではない。パリの市井の人々の様子がリアルに、でも妙に白日夢めいた
印象を与える書きっぷりで描かれている短篇集だ。

 先週の東京新聞 夕刊にエーメの彫像の話が出ていた。
 鹿島茂の隔週掲載「パリの秘密」12月8日付けによれば、モンマルトル近く、
ノルヴァン通りの入り口の壁から、エーメの顔と手足が突き出ている彫像で、
作者は あのジャン・マレーだそうである。
 マレーは絵を描くだけでなく、彫刻もするとは知らなかったが、エーメの彫像の顔と
脚と右手はエーメ、左手はジャン・コクトーの手を模したそうである。泣かせる。

 「壁抜け男」にしても、うっすら悲哀感のあるコントだったが、「クールな男」は
ノアール感ある短篇集だ。翻訳者の「見れる」「知れる」訳と、あとがきの文体には
かなり疑問を持つし、"L'indifferent"を「クールな」と訳すのも何だかピンと来ない
のだけれど、わりと面白がって読んでいる。今晩中に終わる筈だから、次の1冊を
また何か探さなくては。

 Marcel Aymeのカタカナ表記がエイメとエーメに別れているのは、エイメが
「クールな男」の翻訳者・露崎俊和に、エーメが鹿島茂の表記に倣ったためです。

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by byogakudo | 2005-12-12 16:30 | 読書ノート | Comments(0)


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