2014年 02月 16日

ローレンス・ブロック「泥棒は詩を口ずさむ」読了

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 あら、泥棒なのに、バーニイは古本屋になっちゃった! 
おまけに、心の友であるレズビアンのガールフレンドは
犬の美容院を経営しながら、部屋で飼うのは二匹の猫。
 古本と猫のミステリになっちゃった。

 うーん、経緯を全部書き記したい衝動に駆られるが、ともかく、
古本屋を止めてフロリダで悠々自適しようとする人から居抜きで
買って、店名も品揃えもそのまま、バーニイは古本屋を始める。
 でも売った人はフロリダには行かず、セント・ピーターズバーグで
また本屋を開いたそうな。身につまされる方もおいでだろう。

 しかし、バーニイはどこで古本屋修行したのだろう? 本好き
なのは昔から。刑務所でも読書に励んでいたそうだが、読むのが
好きと売ることとは違う行為だ。
 冒頭から万引きを捕まえる。他の本屋で盗んだ本もあり、
<スタインベック『気まぐれバス』の初版本が出てきた。カバーの
 ついた完璧なやつで、十七ドル五十セントの値段がついていた。
 ちょっと高いように思われた。>(p12下段)
 バーニイの店で盗んだ本の代金を払わせ、スタインベックを買い取り、
十五ドルに値下げして棚に収める。そんなに古本に詳しい泥棒だった
のか。

 本筋はキプリングの稀覯本を廻るミステリである。依頼されたバーニイは、
ただその一冊を求めて盗みに入る。ニューヨークからほんのちょっとなのに、
<木々が港湾ぞいの騒音をさえぎっている>(p32下段)静かな高級住宅地の
<ゴシック期の小説に出てきそうな>(p33上段)館に侵入するバーニイ。

 警報装置を処理してから、三つの錠がついたドアに開ける。ひとつは簡単、
次に、
<シーガル錠とラブソン錠。七つ道具を使ってそのふたつにとりかかった。
 片手にペンライトを持ち、ときどきドアに耳を押し当てながら(それはまるで
 貝殻のようだった。注意深く耳をすませば、森の音が聞こえそうだった)。>
(p34上段)

 あと20カ所くらい紙切れを挟んでいるのだけれど、全部紹介していたら
夜が明ける。興味を持たれた方は本文に当たってみてください。本好き、
猫好き(本ほどではないが、スパイス的に登場する)の方なら、心楽しい
数時間が過ごせます。

     (HPB 1981初 帯 VJ無)





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by byogakudo | 2014-02-16 19:06 | 読書ノート | Comments(0)


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