2014年 02月 19日

表現者は不逞の輩ではなかったの?

e0030187_12371371.jpg












 今日2月19日付け「東京新聞」朝刊第一面は、都美術館が
クレームを恐れて、彫刻家に作品を改変するか、さもなくば
撤去するかを強要したというニュースである。

 「現代日本彫刻作家連盟」代表でもある、造形作家・中垣
克久氏は、連盟の定期展に、作品「時代(とき)の肖像_絶滅
危惧種」を提出、都美術館地下ギャラリーに展示された。

 どんな作品か、というと__
 竹を直径1・8m、高さ1・5mのドーム状に組み上げ、星条旗や
日の丸をあしらい、そこに新聞から切り抜いた特定秘密保護法の
記事や「憲法九条を守り、靖国神社参拝の愚を認め、現政権の
右傾化を阻止」と書いた紙を貼付けてある。

 写真で見る限り、直截ではあるが、作品と呼べるだけのパワーと
質には疑問がある。しかし、表現者が作品を公にする行為は、
どんなに好みが違おうが質がどうであれ、わたしは肯定する。
 表現の自由が全面肯定されなければ、制作の意味がない。

 しかし、都美術館の小室明子・副館長は、東京都の運営要項に
<特定の政党・宗教を支持、または反対する場合は[注 美術館を]
使用させないことができる>と定めてあるので、靖国参拝批判は
それに該当すると判断して、撤去を求めたそうだ。
 都美術館は、東京都歴史文化財団が都の指定管理者として運営
している。
<「こういう考えを美術館として認めるのか、とクレームがつく
 ことが心配だった」>から、小室明子・副館長は撤去を求めた。

 モダーンアートと、いわゆる政治性とは切り離し難い間柄にある。
小室明子・副館長がどういう経歴の人物か知らないが、アートと
政治性の問題を考えることなく過ごしてきた人ではないかしら。
 だから小役人的に、(将来の退職金や年金の計算も頭に浮かんだ
のではないかと、推量する。)撤去がいやなら、改変しろと強要した
ものであろう。
 今回で7回目の「現代日本彫刻作家連盟」定期展だが、来年以降、
内容によっては使用許可を出さないことも検討する、そうな。
 不特定秘密保護法の精神は、かく、お先走りに遵守されている。

 そして又、改変に応じた造形作家・中垣克久氏は? 「現代日本
彫刻作家連盟」のメンバーに迷惑をかけたくないとでも思って、
靖国参拝批判記事を取り除いたのか? アーティストがそんなことで
いいの? 表現者が責任を持つのは作品に対してだけではないのか。

 記事の脇に別枠で田島泰彦・上智大学教授のコメントが載っているが、
これにも疑問がある。
<会場の使用権を持つ美術館側が、立場の弱い作者に撤去や改変を
 迫るのは、表現の自由の根幹の部分を抑圧している。>
 クライアントとデザイナの関係じゃあるまいし、アーティストは
保護さるべき弱者なのか。不逞の輩だと、思ってたのだけれど。

 サド裁判は猥褻か芸術かの不毛な論点で争われたが、時代が変わっても
アートと社会の関係は、相変わらず退屈な凡庸さに覆われている。
 何が悪いと、大きな顔して言わないのだったら、表現者であることなぞ
止めちゃったら?





..... Ads by Excite ........
[PR]

by byogakudo | 2014-02-19 12:38 | アート | Comments(0)


<< GyaO!「私は猫ストーカー」...      準備はできた >>