猫額洞の日々

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2014年 02月 26日

ロバート・バーナード「雪どけの死体」読了

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 ここ二、三日は春めいているが、その直前、寒かったとき、
もっと寒い地方を舞台にしたミステリにしよう、比較して
暖かく感じられるかもしれない、と思ってこれにした。
 ノルウェー、しかも北極圏限界線を三度北上した都市、
トロムソだ。

 12月21日の真昼、闇とはいえない、薄ぼんやりとかすんだ
戸外。この後一時間かそこらで闇に包まれる。
 1月20日、わずかな時間だが雲ひとつなく、太陽がフィヨルドを
オレンジ色に染め、春が近づくのが感じられる。
 3月の第一週目、思いがけない早い雪解け。二週目、道路に黒い
土が目立ちはじめ、ラッパ水仙が咲く。まだまだ山は雪。
 今日は零度だ、暖かい、という箇所があった筈だが見つけられない。

 12月21日に失踪した外国人青年が、3月の第二週に雪中の遺体
として発見され、ゆっくりと進む雪どけのように、青年の身元や
背景、殺人事件に至るまでが綴られる。
 彼を見かけた人々はかなりいるのに、ノルウェー人は他人(ひと)の
ことに関わりたくない性向が強いのか、誰も警察に情報提供しようと
しない。
 トロムソにはイギリス人やアメリカ人も住んでいる。外国人青年を
最後に見かけ、その日時と場所を確定したのは、毎日歩き回り、行動
記録を詳細に書きつける習慣を持つモルモン教徒だった、というのが、
なんだかおかしい。

 ミステリの舞台が寒過ぎて温度変化について行けなかったようで、
風邪の前触れが本物の風邪引きになってしまった。

     (HPB 1985初 帯 VJ無)





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by byogakudo | 2014-02-26 00:07 | 読書ノート | Comments(0)


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