2014年 03月 16日

ロジャー・L・サイモン「大いなる賭け」読了

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 アメリカ現代史・風俗史を読む、みたいなミステリだ。日本の
「団塊の世代」と違い、アメリカで「ブーマー」と呼ばれるのは、
もっと世代の幅が広そうだが、60年代から70年代、80年代と
変わりゆくアメリカの姿が、描かれる。まだシリーズを三っつしか
読んでいないのだけれど。

 第一作である「大いなる賭け」原作は1973年刊行。豊かに育った
らしいユダヤ系の主人公、モウゼズ・ワインはドロップアウトして
私立探偵をやっている。ボロい車に乗り、浴室の扉にはレニー・
ブルース
の破れたポスターが貼られた部屋でハシッシュを吸う、
私立探偵だ。
 そこへ60年代に知っていた女友だちが、民主党(もちろん!)
上院議員の選挙運動員として、やって来る。
 議員を褒め殺ししようとする動きがあり、調べてもらいたいという。
依頼を引き受けたモウゼズ・ワインだが、調査が進むにつれ襲われたり、
女友だちが惨殺されたり、爆破テロの予告があったり、カリフォルニアの
伝統、悪魔崇拝教徒まで出てくる。最初に書くべきだったが、主人公は
LAの私立探偵。

 モウゼズ・ワインは離婚しているようだが、幼い息子たちに会うことは
できる。息子ふたりを連れて老人センターにいるソニヤ伯母さんに会いに
行くが、彼女は口の悪いトロツキストだ。民主党のホーソーン上院議員の
ための調査をしているというと、馬鹿にして、

<「下の息子が前頭葉手術をした、と言うほうがまだましだね」
 「[略]ホーソーンかね? ろくでなしの改革家だ。メンシェヴキ派だよ。
 [注: 共和党の]ディルワーシーかね? 先週やってきて、白痴みたいに、
 にやにやしてさ。センターが気にいってるか、とあたしに聞くのさ」
 「何て言ったんだ?」
 「真実さ__くそひり場だとね!」>(p38下段~p39上段)

 70年代、ヒッピー期のモウゼズ・ワイン物語だ。

     (HPB 1976初 帯 VJ無)





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by byogakudo | 2014-03-16 12:21 | 読書ノート | Comments(0)


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