2014年 03月 18日

ロジャー・L・サイモン「ペキン・ダック」読了

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 70年代のヒッピー気分が抜けない探偵、モウゼズ・ワイン・
シリーズを読んでいたら、クリシュナ教徒を目撃してしまった。
 昨日、新宿・大ガード近く、今は「思い出横丁」と言うのか、
あの角で、70年代の顔と着てるものもそのままな、若い白人
女性二、三人と若い日本人女性数人が、あの歌を歌いながら
踊っている。カルトないし新興宗教あるいは新宗教は、しぶとい。

 1979年原作刊行のロジャー・L・サイモン「ペキン・ダック」で、
モウゼズ・ワインは四人組が攻撃され出した頃(1977年8月)、
日本でいえば、まだ「中国」ではなく「中共」と呼んでいた?頃の
中国に行く。例のトロツキスト、ソニア伯母さんが団長を務める
『第五友好調査旅行団』の一員として、聖地巡礼に行くのだ。

 モウゼズ・ワインはその直前の仕事で思いがけない金を稼ぎ、
中古とはいえポルシェを買ったばかりで、内心、自分の政治信条
との差異に恥ずかしさを感じているから、なおさら中国を見たいと
思う。
<ハリウッド・ヒルズ出身のお茶の間毛沢東主義者であるおれは、
 文化大革命の無謀な理想に弱いのだ。>(p38下段)

 「白猫黒猫論」以前の、質素で潔癖な共産主義国家、中国の様子に、
『第五友好調査旅行団』のメンバー全員が魅せられる。
< 三日目の朝までに、おれたち全員は思想に酔いしれ、中国に恋して
 いた。風邪や下痢("江東の報復")も、おれたちの興奮をさまさな
 かった。アメリカに戻っても、だれも信じてくれないんじゃないかと
 いうことだけが気がかりだった。>(p58上段)

 しかし四人組問題の影響なのか、不穏な底流も感じられ、モウゼズ・
ワインは"悪質分子"に襲われる。やがて不穏な底流は目に見える大きな
流れとして浮上し、『第五友好調査旅行団』メンバーが中国に足止めを
食らい、人民裁判にかけられるような事件が起きる。
 米中国交回復以前なので、当然、大使館もない。個人的な旅行のつもりで
参加したモウゼズ・ワインだが、全員が帰国できるよう、私立探偵として行動
するはめになる。

 昨日、新宿ビックロ前で中国人観光客たちを多数見かけた。ショッピングが
目的の観光旅行中なのだろう。

     (HPB 1981初 帯 VJ無)





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by byogakudo | 2014-03-18 16:41 | 読書ノート | Comments(0)


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