2014年 04月 12日

ローレン・D・エスルマン「シュガータウン」もう少し

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 これはどうだろうと2冊持ってきた中の一冊、ローレン・D・エスルマン
「シュガータウン」だ。デトロイトの私立探偵、ということで選んだが、
希望通り、廃墟化の一途を辿るデトロイトの街の風景が描かれる。

 行方不明の孫息子(現在は30歳くらい)を捜してくれと、年をとってから
アメリカに渡って来たポーランド系老婦人に頼まれる。
 彼女の息子は若い頃にアメリカに移住した。結婚して息子と娘をもうけたが、
失業して酒浸りになり、一家心中を起こした。幼かった孫息子はたまたま
家におらず、生き残った。

 調査を始めてすぐ、孫息子は溺れ死んだと判り、そこで調査は終わった
けれど、また別の依頼が出る。息子がポーランドを出るときに渡した、家宝の
十字架を探して欲しい、という。警察から渡された遺品になかったので。
 治安の悪いデトロイトでは、老人宅から骨董品を盗む連中がいるので、
故買屋や骨董商を訪ねてゆくと故買屋の死体にぶつかる。

 もう一件、別口の仕事が入る。祖国から誘拐ないし暗殺されそうなロシアの
作家の依頼で、脅迫者はわかっているから、彼を脅すなりして大人しくさせて
くれ、というものだ。

 死んだ孫息子、行方知れずの十字架、誘拐ないし暗殺もどきのトラブル、
この三題噺に美女がふたり絡む。ひとりは美人というには難があるかも
しれないが、主人公好みの顔立ちの小柄な看護婦(ポーランド系老婦人の
付き添い)、もうひとりは、作家を担当しているニューヨーク美人タイプの
編集者で、私立探偵は彼女の大人の女の魅力にも惹かれる。

 三題噺がいずれ一点に収束するのだろうが、昨夜はその手前で眠って
しまった。
 面白くなくはないけれど、主人公のモノローグの多さや気の利いた台詞の
やり取りが、どうも退屈。帯に<チャンドラーの心を継ぐ正統派>とあるが、
マーローはこんなにモノローグでお喋りではなかったような気がする。
 
     (HPB 1986初 帯 VJ)

(4月13日に続く)





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by byogakudo | 2014-04-12 17:04 | 読書ノート | Comments(0)


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