猫額洞の日々

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2014年 04月 26日

鈴木創士「文楽かんげき日誌 第七段 破れ目」/ジョナサン・ヴェイリン「火の湖(うみ)に眠る」もう少し

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 鈴木創士氏「文楽かんげき日誌 第七段」は、「破れ目」

 60年代後半から70年代にかけて若かった人々が青春__日本語で
「青春」とか「思春期」とか「人生」という概念を言いたいとき、
これらの単語しかないのが、じつに困る。どの面下げて、発音すれば
いいやら。__におとしまえをつけようとしたら、ひどい地獄巡りに
なってしまった、という1987年原作刊行のアメリカン・ミステリ。

 シンシナティの私立探偵ハリイ・ストウナーは、友人ロニーが18年ぶりに
街に戻ってきたのを、モーテル支配人からの電話で知らされる。ハリイの
名前と住所を騙り、自殺を図ったという。

 自宅に連れて来て休ませた。離婚手続きがすんでないロニーの妻・カレンに
連絡し、彼女を連れてきたら、ハリイのアパートメントは荒らされ、ロニーは
消えていた。
 ミュージシャンを夢見ていたロニーは、ドラッグ漬けの日々から抜け出せず、
今回のできごとも麻薬絡みであるらしい。

 街のジャンキー/ギャングどもも、麻薬捜査課の暴力警官も、ハリイとロニーが
つるんでクラックを横取りし、密売しようとしていると信じて、ハリイに暴行し、
カレンを脅かす。
 ロニーを探して、ふたりの地獄巡りが始まる。特にロニーと同じくジャンキー
だったカレンにとっては、辛い行脚だ。過去を清算したつもりでも、ロニーとの
日々の影はあちこちに残る。

 作者は青春におとしまえをつける決意が強いのか、ストーリーに必要以上に
自己懲罰的なにおいを感じる。ハリイは肉体的な暴力に晒され、カレンは
心の傷がうずくと、二分された形だが。

     (HPB 1988初 帯 VJ無)

(4月27日に続く)





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by byogakudo | 2014-04-26 19:11 | 読書ノート | Comments(0)


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