猫額洞の日々

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2014年 05月 01日

ジェイムズ・マクルーア「スネーク・ダンサー」読了

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 店から持ってきたポケミス数点の中で、いちばん期待してなかった
「スネーク・ダンサー」だが、いちばん面白がれている。

 だって、アパルトヘイト時の南アフリカが舞台でしょ、暗そう!と
思うし、作者ジェイムズ・マクルーアが「87分署」シリーズに影響を
受けたと聞くと、エド・マクベインとは相性が悪かったことを思い出す。
 じゃあ、なんで持ってきたかと言えば、帯の<英国推理作家協会賞
受賞作家>の一点のみで、もしかして、もしかする?と思ったのだ。

 イギリスのミステリは、とぼけ方が魅力だが、「スネーク・ダンサー」の
書きっぷりの外し方やずらし加減は、イギリス・ミステリの伝統に沿う。
 一歩進んで半歩下がるような記述がリズムを作り、心地よく物語に
転がされてゆく。うっかりしていると舞台がマンデラ以前の南ア共和国
なのを忘れそうだが、物語自体に人種の混淆や人種差別に関する法律が
しっかり組み込んであり、しかもミステリとして、読んで楽しい。

 スネーク・ダンサーの死体の脇にあった商売物の蛇の死体を持って、
解剖医が自然博物館に、蛇についての話を聞きに行く。
< ストライダム医師が、目に入れても痛くないほどかわいがっている
 聡明な孫娘のエマレンシアは、トレッカースブルグ自然博物館のことを
 ' 死物園 '(デッド・ズー)と呼ぶ。>(p83上段)
 dead zoo、いいなあ。

 好みだとわかったので、店からさらに5冊、ジェイムズ・マクルーアを
持ってきた。早く、フィリップ・マクドナルド「迷路」を終わらなくっちゃ。
(これもクラシックで嫌いじゃないのだけれど、例によってなんにも推理
せずに読んでいる。)

     (1982初 帯 VJ無)





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by byogakudo | 2014-05-01 09:56 | 読書ノート | Comments(0)


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